2018年04月06日
変形性膝関節症
今回は膝関節痛の原因で多い、変形性膝関節症について説明します。
近年の高齢化に伴い、膝関節痛を訴える人は増加傾向にあります。変形性膝関節症は加齢、筋力低下などの原因により、膝関節を構成している大腿骨・脛骨・膝蓋骨の軟骨の弾力性が減り、摩耗することにより関節が変形する病気です。男女比は1:4で女性に多く、高齢になるほど症状が出現しやすくなります。初期の症状としては歩き始めの膝関節痛や、階段の降りる時の痛み、正座ができなくなるなどの症状がでます。そして徐々に膝が変形(O脚・X脚)してきます。炎症が強い場合は膝関節内に水が貯まるようになり、荷重時や歩行時に常に痛みがでるようになります。末期になると安静時にも痛くなります。
診断は、膝の診察やX線(レントゲン)検査により判断します。
治療は、まずは大腿四頭筋(ふとももの前面の筋肉)の筋力訓練や体重の減量を行い、正座を避け、洋式の生活スタイルにするなどの予防が大切です。痛みや腫れなどの症状が出現した場合は、鎮痛薬の内服・外用剤(湿布)の使用、膝関節内への注射を行います。
関節注射は主にヒアルロン酸注射を行い、炎症が強い場合はステロイドの注射を行う場合もあります。
当院では、痛みや変形が軽度の場合はまずリハビリによる治療を行います。痛みに対しては鎮痛薬の内服・外用剤の使用で治療させていただきます。痛みや関節内の腫れが強い場合は、穿刺によって関節液を抜きます。またヒアルロン酸やステロイドの関節内注射も行います。リハビリでは大腿四頭筋の筋力訓練などの指導も行っています。
リハビリ・投薬治療・関節注射などを行っても痛みが改善せず、歩行も困難になると手術治療が必要な場合もあります。
手術治療には、関節鏡(内視鏡)手術・高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する手術)・人工関節置換術などがあり、痛み、変形の程度、年齢などにより選択されます。
現在、毎週火曜日に須坂市の信州医療センターで膝の手術を行っていますので、膝の手術についてご不明な点は当院にてご相談ください。